「糸悸折々、色織々の七十二候」第三十九候 蒙霧升降(ふかきりまとう)
蒙霧升降(ふかきりまとう)
おはようございます。
昨日僕たちが暮らす奈良県中南和では夕方バケツをひっくり返したような雨。
地元高田から広陵へ向かう車中猛烈な雨に打たれ、逆流するように進みましたが
何だか心地良かったです。
久しぶりに窓を閉めたまま寝て起きて開けるとゾクッとまでしませんでしたが
かなりのヒンヤリさん、夕立と共に少しずつ秋の足音が近づいてきました。
蒙霧を「もうむ」と読むともうもうと立ちこめる深い霧のことを指します。
転じて心が晴れないと言う意味もあり、季節の移り変わりとともに
その心象風景を描いて来た先人達の感受性がうかがえますね。
霧とは地表や水面の近くで水蒸気が凝結し、無数の微小な水滴となって
浮遊している現象のこと。霞(かすみ)も同じ現象ですが、平安以降
秋のものを「霧」、春のものを「霞(かすみ)」と言い分けるようになりました。
夕立が降って今朝は霧でも立ちこめるかなと言う僕の僅かな期待も霧知ら、
否、露知らず。仕方が無いので霧の三兄弟? Tortoise の M・グレーと
RECYCLED COTTON 100 の L・グレー、re-specked cotton のチャコールで
蒙霧を纏わせようとデッキに出たら、つるが伸びて物干までやってきた
朝顔が一輪、朝日を浴びて咲いていました。
蒙霧立ち 晴れぬ心を 晴れ晴れと
と言ったところでしょうか。